地理書、紀行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/01 10:41 UTC 版)
アラビア語圏が拡がり、イスラーム諸王朝のもとで交通網が整備された。またアッバース朝のバグダードでは知恵の館が建設されて古代ギリシア文献が翻訳され、天文学や地理学が発達する。こうした要因もあり、地理書や紀行が盛んになった。9世紀の地理学者としては『歴史(英語版)』や『諸国誌(英語版)』の著者ヤアクービーや、『『諸道と諸国の書』(英語版)』の著者イブン・フルダーズベがいる。10世紀の『黄金の牧場と宝石の鉱山』を著したマスウーディーは歴史家としても優れた視点を持ち、「アラブのヘロドトス」と呼ばれる。11世紀のアンダルスからは、バクリーを輩出した。バクリーの地理書はガーナ帝国の貴重な情報を含む。 各地での見聞をまとめた紀行も生まれ、『ヴォルガ・ブルガール旅行記』を書いたイブン・ファドラーン、グラナダやシチリアを巡ったイブン・ジュバイルといった旅行家たちがいる。特にイブン・バットゥータは、法官としてインド、セイロン、アンダルス、マグリブを半生をかけてまわり、その広大な旅程の記録を『リフラ』として残した。
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