地球温暖化と台風
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 08:46 UTC 版)
地球温暖化が進むと、21世紀の後半には、「スーパー台風」とよばれる猛烈な台風が現在よりも発生しやすくなり、場合によっては日本に襲来しやすくなる可能性があるという。コンピューターによる数値解析によれば、2074年には風速が80m/sに達する台風の発生が増えるというシミュレーション結果が出ている。 台風の巨大化の主な原因は、温暖化による海面温度の上昇である。西太平洋は2080年までに海面温度が2度上昇すると予測されており、海面温度が上昇することにより台風に供給されるエネルギーも格段に増加する。そのため巨大な台風が誕生しやすくなるのである。 しかしその一方で、全体の台風発生数は減少するという研究がある。海面温度の上昇により水蒸気は発生しやすくなるが、それと同時に水蒸気が水滴になる際に放出される熱も増加し、その結果として海面付近と上空との気温差が少なくなるのだが、これは別の言い方をすれば「大気が安定」するということで、こうした条件下では強い上昇気流が生まれにくい。そのため積乱雲の発生も抑えられ、当然台風の発生も妨げられることになる。このことから、「温暖化が進むと、強い台風の発生数は増加するが、全体の台風発生数は減少する。」と言われているのである。 台風の発生数が現在よりも減ったとしても、現在よりもスーパー台風の数が増えれば、台風による被害はこれまでよりも大きくなると懸念されている。
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