国際的な中国映画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 21:16 UTC 版)
1999年、多国籍合作映画『グリーン・デスティニー』は、西洋的な好みに迎合したとして中国の観客に無視されたにも関わらず、西洋での興行で大成功をおさめ、アカデミー外国語映画賞も受賞した。 2002年の『HERO』は、『グリーン・デスティニー』の国際的成功にともなう2作目の中国映画として制作された。 ジェット・リー、チャン・ツィイー、マギー・チャン、トニー・レオンなど、西洋でも知られた有名な俳優、そして張芸謀監督が起用された。この作品はアジア圏で大きな成功をおさめただけでなく、アメリカでも2週連続興行成績一位となった。 『グリーン・デスティニー』と『HERO』の成功は、中国本土で制作された映画と、国際的に制作されたいわゆる"中国語映画"との境界線が曖昧になっていることを表している。例えば『グリーン・デスティニー』は台湾人監督のアン・リーによって撮られたが、香港、台湾、そして中国の俳優が参加し、資金は海外から集められた。三つの地域(中国、香港、台湾)から人、資金、専門知識が投入され、大予算で組まれた中国語映画が成功をおさめていることを考えると、ハリウッド映画と競争する力をつ付けてきていることを意味するように思われる。更なる例として、『LOVERS』(2004年)、『PROMISE』(2005年)、『女帝 [エンペラー]』(2006年)などがある。 しかしながら、限られた予算で制作された中国語映画の多くは未だ香港や中国本土、台湾でのみ上映され、国際的な配給手段がない状態である。
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