囚人の役職とは? わかりやすく解説

囚人の役職

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 02:13 UTC 版)

強制収容所 (ナチス)」の記事における「囚人の役職」の解説

強制収容所囚人中にも管理職存在した囚人たちトップ地位にあったのは親衛隊から任命される収容所古参Lagerältester)である。収容所古参初め1人だったが、収容者数が増えてくると3人までに増やされた。親衛隊から信用のある者が任命された。収容所古参の下で個々囚人移住ブロック囚人指導する囚人職がブロック古参Blockältester)である。ブロック古参収容所古参推薦経て親衛隊任命したブロック古参は各囚人移住家屋ごとに2名から3名の部屋係(Stubendienste)を持ち、彼らを通じてブロック全体囚人支配していた。また労働においては囚人の中からカポKapo)が任命された。カポは、看守親衛隊員就任する労働指導者の下で労働隊の他の囚人監督を行う。カポの下には先任労働者(Vorarbeiter)が置かれた。カポは、こん棒殴りつけるなど他の囚人懲罰加えることもできたが、彼らも囚人であるので看守親衛隊員からは懲罰加えられることもあった。収容所古参ブロック古参カポ先任労働者は、区別のため収容所指導部看守から、白い文字書かれた黒いリボンを左胸に付けさせられた。 このような囚人役職就ける者はカテゴリ人種により制限されていた。まず人種でいえば、囚人役職に就く道が一番開けていたのは言うまでもなくドイツ人囚人である。しかし意外なことであるが、ドイツ人囚人次に役職任命されることが多かったのは「下等人種スラブ民族ポーランド人であった。この理由としては、ポーランド人にはドイツ語話せる者が多かったこと、ポーランド人にはドイツ人並み反ユダヤ主義者多かったこと、ポーランド早期占領された国であったため収容所中でもポーランド人囚人古参になっていることが多かったことなどが考えられる。他のスラブ民族ロシア人チェコ人役職を得ることはまず無理であったユダヤ人役職を得ることは無理であったが、ユダヤ人のみの収容所では任用例も見られるカテゴリで見ると役職就いた者はほとんどが「赤」政治犯)か「緑」(刑事犯)である。それ以外カテゴリの者は役職を得るのはまず無理だった意外なことに「赤」の中では共産党員が特に重用された。彼らの組織力秩序維持能力親衛隊評価したためであるらしい。特にブーヘンヴァルト強制収容所では共産党員囚人たち強大な実権掌握し、他のカテゴリ、あるいは同じカテゴリでも別の党派囚人たち迫害加えていた。

※この「囚人の役職」の解説は、「強制収容所 (ナチス)」の解説の一部です。
「囚人の役職」を含む「強制収容所 (ナチス)」の記事については、「強制収容所 (ナチス)」の概要を参照ください。

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