商業的展開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 10:04 UTC 版)
「L4マイクロカーネルファミリー」の記事における「商業的展開」の解説
2005年11月、NICTAはクアルコム社の移動局モデムチップセット(Mobile Station Modem:MSM)にNICTA版L4を供給することを発表した。これにより2006年後半以降の携帯電話でL4が使われる事になった。2006年8月、UNSWのジャーノット・ハイザー教授と組み込み用リアルタイムOSリーダーのスピンアウトによりOpen Kernel Labs(英語版)(OK Labs)が設立され、商業目的のL4のサポートを行い、OKL4というブランド名の商業利用向けのL4の開発もNICTAと密接に協力して行った。2008年4月にリリースされたOKL4バージョン2.1は一般利用可能なバージョンのL4でCapability-based securityを特徴に持っていた。2008年10月にリリースされたOKL4 3.0は最後のオープンソース版OKL4である。これ以降のバージョンのOKL4はクローズドソースでネイティブハイパーバイザとして動くように書き換えられOKL4 Microvisorと呼ばれるようになった。OK LabsはまたWombatの後継の準仮想化LinuxをOK:Linuxとして供給し、準仮想化したSymbian OSとAndroidの供給も行った。OK LabはNICTAからseL4の権利も取得した。OKL4の出荷は2012年初めには15億台を超えた。ほとんどはクアルコムのワイヤレスモデムチップである。他のものには車載インフォティメントシステムが含まれる。A7以降のAシリーズAppleモバイルアプリケーションプロセッサに含まれるSecure EnclaveコプロセッサではNICTAが2006年に開発したL4-embeddedカーネルベースのL4オペレーティングシステムが動作している。これは現在、全てのiOSデバイスでL4が出荷されていることを意味し、2015年の総出荷量はおよそ3億1000万台とされる。
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