合成的な解釈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 14:48 UTC 版)
ただ、最古の記録が1551年というアラキ等の前提 は覆されており、1514年の『雲玉和歌抄』に詳しい言及があることが今では判明しているため、ポルトガル人伝来説は困難となっている。しかし坪内逍遥や新村出の「南蛮人」伝来説をより広義的にとり、例えばアジアに到達したイスラーム教徒を媒介したものだとすれば、可能性は十分にあり、このことは既に南方熊楠に指摘されている。 そして井上章一も、逍遥の、南蛮時代に伝来したという説は成り立たないが、ユーラシア大陸全体に、前史時代に広まった説話の一つと見るのが妥当だろうとしている。中央ユーラシアの叙事詩『アルパムス(英語版)』と類似しており、これがユリシーズ伝説との中間的な媒体だった可能性も指摘されている。甲賀三郎伝説も、これと同じようなアジア経由をたどったのでは大林太良などは推察する。 また源義経には義経=ジンギスカン説が知られ、モンゴルとの関連ということで百合若と共通するが、松村一男などは、義経を主人公とする『御曹司島渡』と『百合若大臣』の類似を指摘する。
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