各階層の比率と階層決定の因子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 20:24 UTC 版)
「スクールカースト」の記事における「各階層の比率と階層決定の因子」の解説
本田は、2009年から2010年に神奈川県の公立中学校の生徒2874名に対してアンケート調査を行った。そのデータを元に分析すると、「高位・中位・低位・いじられ」の比率が「10:60:25:5」になったという。 さらに、性別・学力・生きる力(自主性・主体性・論理性)・(家庭の)経済資本・(家庭の)文化資本・クラス内友人数・(普段一緒に行動する)友人の固定性・部活動(運動系か文化系か)といった要素がカーストの位置決定にどう影響しているかをロジスティック回帰分析によって調べている。それによれば、(「中位」を基準として)「高位」に位置する典型的な生徒像は「友人数が多くてかつ固定的で生きる力が高く学力も高め」、「低位」に位置する生徒像は「文化資本は豊富だが学力は低めで友人数は少なく文化部所属の男子」、「いじられ」に属する生徒像は「友人数が多くてかつ固定的で生きる力と文化資本が豊富かつ学力は低めの男子」となる。 また、本田はカーストが「(学校での)友人関係」「教師との関係」「将来像(進路希望)」と関係しているかどうかも調査している。友人関係について、学校生活で自分の本心に反して求められているキャラを演出したりするかという質問への肯定的な回答は、「上位」と「中位」が同程度で、それより「低位」が高く、さらにそれより「いじられ」が高くなっている。教師との関係については、「上位」「いじられ」の生徒が他と比べて教師と積極的にコミュニケーションをとっている。将来像については、「高位」「中位」「低位」の順に大学進学の希望率が下がる。
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