各国の解釈の差異
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 05:59 UTC 版)
日本と、中国と、韓国、ベトナムでは、それぞれ「孝」の内容が微妙にずれることがある。 中国では「3年子無きは、去る(夫の方から離婚する)」といった言葉があるが、これは祖霊に対する孝、すなわち子孫を残すことを孝とする宗教観から来るものであり、子を残す女性が正しい(それが本妻でなくとも)とする考えが倫理的に正しいという考え方があった。これは『孟子』離婁(りろう)上において、「不孝に三あり。後(継ぎ)無きを(最)大なりとなす」と記すことからもわかる。加地伸行は孝とは、その対象が死をも含む広域なものであり、明治以降の日本人の孝は生者に対する「道徳的孝」であって、中国人の死者も対象とした「宗教的孝」とは異なるものであるとする。 中国では辛亥革命によって国民党時代が到来すると、魯迅が孝は「人が人を食う」原理であり、それまで賛えられていた孝子をおぞましいものであると激しく非難するなど、孝に対する批判が噴出した。孝は共産党時代が到来すると全面的に否定され、「忠」が文化大革命でも毛沢東に対する忠誠として肯定的な語とされたこととは対照的な扱いとなった。
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