古紙
リサイクルの優等生といわれる「古紙」。新聞や雑誌、段ボールなどの古紙は国内では高い回収率が維持されています。回収した古紙を再生しリサイクルする体制は古くから確立されており、「古紙100%」と表示された紙製品を我々は当たり前のように利用しています。
限られた資源を有効活用することは地球環境問題を解決する上での重要な取り組みの一つですが、一方でそれにこだわりすぎると逆に環境負荷を高めてしまうケースもあります。特に「古紙100%」は紙製品によっては非常に環境負荷が高くなるため、「環境に配慮するために古紙の配合率を下げる」といった一見すると矛盾した紙製品が登場し始めています。
古紙はリサイクル率が高いため、それだけ再利用できる機会が増えます。それ自体は環境に優しい取り組みですが、リサイクル率が高い古紙を再利用し続ければ品質も低下していきます。紙製品の中でも記録性を高めるため「白さが自慢」のコピー用紙などは、品質が低下した古紙を多く使う場合は洗浄や漂白などの処理を増やして再び品質を高めるような処理が必要になってきます。
この古紙パルプ製造工程で洗浄・除塵・漂白を行う負荷を考えると、古紙配合比率を下げて新たに「バージンパルプ」を投入する方が、環境負荷が低くなるケースが出てきました。そのため古紙配合比率を下げた製品が出てきたのです。「古紙100%」と「古紙70%」の配合のどちらが環境に優しいかを単純に比べることが非常に難しくなってきましたが、ただ古紙配合比率が下がるということは、それだけ品質の高いバージンパルプの使用量が増えるということです。
古紙のリサイクル率が高まった国内では、新たに良質な古紙が発生する余地も少なくなってきています。バージンパルプの投入量を増やすことは長い目で見れば国内に存在する古紙の品質を少しずつ向上させていく取り組みでもあります。
(掲載日:2007/11/16)
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