古籠火とは? わかりやすく解説

古籠火

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/18 20:21 UTC 版)

鳥山石燕百器徒然袋』より「古籠火」

古籠火(ころうか)は、鳥山石燕の『百器徒然袋』にある日本妖怪

石灯籠の上に座り口から火を吐く姿で描かれている。灯籠の火の妖怪として石燕が描いたものであると考えられている。「古戦場には汗血(かんけつ)のこりて鬼火となり、あやしきかたちをあらはすよしを聞(きき)はべれどもいまだ灯籠の火の怪をなすことをきかずと」と石燕は記しており、特に典拠とした古文献はないようである[1]

古屋敷の古籠火(ころうび)

小説家・山田野理夫の著書には「古籠火」(ころうび)と題し以下のような話が山形県のものとして紹介されている。上之山藩の田村誠一郎という武士が江戸から国もとの勤めに変わり、新しく屋敷が立つまで古屋敷に住むことになった。その古屋敷で家族で夕食をとっていたところ、庭が急に明るくなった。誰かが火を入れたのかと田村が尋ねたが、誰も火を入れていなかった。老いた奉公人が言うには、あれは古籠火というもので、古びた灯籠がしばらく火を入れてもらえないと、ひとりでに火が灯るのだという[2]。ただし、この話の出典である『東北怪談の旅』は、山田によって創作された本来存在しない妖怪伝承が多数収録されていることで有名である[3]

また、この話は、水木しげるの著作における古籠火(ころうび)[4]の解説でも引用されている。

脚注

  1. ^ 稲田篤信、田中直日 編『鳥山石燕 画図百鬼夜行』高田衛監修、国書刊行会、1992年、272頁。ISBN 978-4-336-03386-4 
  2. ^ 山田野理夫『東北怪談の旅』自由国民社、1974年、144頁。 NCID BA42139725 
  3. ^ 京極夏彦・多田克己・村上健司『妖怪馬鹿』新潮社〈新潮OH!文庫〉、2001年、314-316頁。 ISBN 978-4-10-290073-4 
  4. ^ 水木しげる『決定版 日本妖怪大全 妖怪・あの世・神様』講談社講談社文庫〉、2014年、313頁。 ISBN 978-4-06-277602-8 

関連項目





固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「古籠火」の関連用語

古籠火のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



古籠火のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの古籠火 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS