反治療的な視点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 21:05 UTC 版)
「ニューロ・ダイバーシティ」の記事における「反治療的な視点」の解説
自閉症権利運動をすすめる組織のメンバーは、自閉を病気というよりは生き方であると見なし、治療への努力を手放すことを主張する。中には、自閉と関連付けられる行動や言語の違いを正そうとする標準的な治療、例えば 応用行動分析を、単に的外れであるというだけではなく、反倫理的でもあると主張するものもいる。 自閉権利運動の中で主張される反治療的な見方は「自閉症スペクトラム障害はそれ自体としては障害ではない、自然に起こるばらつきだ。神経の配線のバリエーションの一つであり、比較的少ない遺伝子発現の亜型だ」と主張する。この見方からすると、自閉は一つのユニークな人間のあり方であり、当たり前にいてよいとされ、必要ならサポートを得ることができ、承認されるべきあり方である。忌避され、差別され、抹消されるべきあり方ではない。自閉的な人の奇妙さやユニークさは他の様々なマイノリティと同様に容認されるべきであり、「自閉症を治そう」とする試みは、一般的な病気の治療と対比されるものではなく、左利きを治そうとするような時代遅れで馬鹿げた試みである、と主張される。ARMは障害者権利運動の大きな流れの一部であり、障害の社会モデルを採用している。この障害の社会モデルにおいては、自閉者が直面する困難は、個人の欠陥ではなく、社会の構造的な差別であると見なされる。
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