反宇宙的二元論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 01:31 UTC 版)
グノーシス主義には様々なバリエーションがあるものの、一般的に認められるのは、「反宇宙的二元論」と呼ばれる世界観である。 反宇宙的二元論の「反宇宙的」とは、否定的な秩序が存在するこの世界を受け入れない、認めないという思想あるいは実存の立場である。言い換えれば、現在、我々が生きているこの世界を悪の宇宙、あるいは狂った世界と見て、原初には真の至高神が創造した善の宇宙があったと捉える。 グノーシスの神話では、原初の世界は、至高神の創造した充溢(プレーローマ)の世界である。しかし至高神の神性(アイオーン)のひとつであるソフィア(知恵)は、その持てる力を発揮しようとして、ヤルダバオートあるいはデミウルゴスと呼ばれる狂った神を作った。ヤルダバオートは自らの出自を忘却しており、自らのほかに神はないという認識を有している。 グノーシスの神話では、このヤルダバオートの作り出した世界こそが、我々の生きているこの世界である、と捉えられる。
※この「反宇宙的二元論」の解説は、「グノーシス主義」の解説の一部です。
「反宇宙的二元論」を含む「グノーシス主義」の記事については、「グノーシス主義」の概要を参照ください。
- 反宇宙的二元論のページへのリンク