半潜水艇の任務・侵入方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 18:21 UTC 版)
「半潜水艇」の記事における「半潜水艇の任務・侵入方法」の解説
この半潜水艇は、工作員を韓国に隠密裏に侵入させる任務、あるいは北朝鮮に帰還させる任務に使用される。侵入する目的地の海岸まで30海里の位置までは浮上して高速で接近する。それ以降は艇内のタンクへの注水で少し姿勢を下げ、12ノットで航行する。残りの距離が12海里を切った時点で半潜水状態に移行し、窓(水面上50cm)とシュノーケルのみを水上に出す低姿勢によって韓国側のレーダー探知を避けながら6ノットで侵入する。エンジンの騒音で韓国側に気づかれないよう、目的の海岸まで500mの位置まで到着するとエンジンを止めて停泊し、工作員と案内員を降ろす。彼らは泳いで海岸から密上陸していく。工作員の上陸後、戻ってきた案内員を回収して帰還する。案内員とは、上陸直後まで同行し工作員を護衛する役目の工作員。射撃のプロであり、撃術(キョクスル)と呼ばれるテコンドー等から派生したとされる軍隊格闘術(CQC)に秀でた戦闘員である。 半潜水艇の航続距離は最大720kmとされ、単純に考えれば北朝鮮から韓国南部まで単独で往復できる計算であるが、韓国側の警備の目を盗むためには大きく遠回りする航海をしなくてはならない。また、長い航海に耐えうる居住性もない。そのため、北朝鮮から遠い韓国南部以遠への侵入の際には、母船を務める工作船に格納されて目的地の近海(おおむね40海里)まで運ばれる必要がある。距離の短い韓国北部への侵入には母船を使わず、北朝鮮のヘジュ港などの前線基地から単独、最短距離で任務に向かう。
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