労働省旧庁舎ビル燃焼実験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 22:45 UTC 版)
「千日デパート火災」の記事における「労働省旧庁舎ビル燃焼実験」の解説
旧厚生省ビルでの火災実験から約1か月後の6月3日、東京消防庁は東京千代田区大手町の「労働省・旧庁舎ビル(3階建て)」を実際に燃やして火災実験をおこなった。実験の目的は、消防用設備などが実際にどのような働きをするのかを確かめるためであった。各階にスプリンクラー、防煙シャッター、熱感知器、煙感知器、誘導灯などを設置し、1階と3階で同時に点火してその効果を確認した。午前7時15分に点火し実験が開始され、点火6分後に建物全体に煙が充満した。実験の結果では、煙感知器と熱感知器を比較すると、煙感知器のほうが早く反応したため、本件火災においては出火から2分30秒から3分までが避難の限界だったとされ、熱感知器および煙感知器の設置が不可欠だったとされた。だが実際には千日デパートビルの出火階と延焼階(2階ないし4階)に煙感知器はおろか熱感知器すら設置されていなかった。当実験では、階段に1か所「防煙シャッター」が設置され、煙の遮蔽性が調べられたところ、煙の流動が始まってから約10分間は煙を完全に遮断することが確認された。これらの実験結果を受けて東京消防庁は、防煙対策は防火管理上において必要不可欠として、ビルの管理権原者が防煙対策を怠った場合には、厳しく告発するとした。
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