前立腺癌の増加
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 04:00 UTC 版)
前立腺癌は癌の中では進行性が遅く、生存率・治癒率は高いうえ、予後も他の癌に較べると大変よい。45歳以下での罹患は家族性以外はまれで、50歳以降に発症する場合が多い。その割合は年を追うごとに増加する。欧米人に発生率の高い癌で、米国では男性の約20%が生涯に前立腺がんと診断される。同一人種間の日本と海外での患者割合の差は、食生活の違いにあるとされる。食生活の欧米化によって罹患率は急増しており、近い将来男性癌死亡者の上位となることが予想されている。 前立腺液に含まれるたんぱく分解酵素であるPSAのスクリーニング検査は近年普及傾向にあり、そのため前立腺癌が発見される確率も高くなっているが、一方でPSA検査は会社や地方自治体における検診で必須項目になっておらず通常はオプション扱いであり、受診するには自費負担となっている。このためPSA検査まで受けず定期検診を受けて安心しきってしまい、自覚症状が出てから前立腺癌に気づいて既に進行している状態だった例も多い。このため今後、定期検診の中にPSA検査を組み込む自治体や健康保険組合が増加することが期待されている。一般に腫瘍マーカーとしてPSAの信頼度は高いとされており、正常値は4ng/ml以下程度とされている。
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