制御器・制御方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/15 23:56 UTC 版)
日本の路面電車は誕生時から長期に渡って電動機へ流れる電流を運転台に設置された制御器を用いて直接操作する「直接制御方式」と呼ばれる方法が用いられていた。この方式は構造が簡素で応答性に優れている反面、起動時や非常ブレーキ(発電ブレーキ等)を使用する際に車輪の滑動やフラッシュオーバーが生じる可能性があった他、架線の高い電圧がそのまま運転台を通る危険性もあった。そこで、純正PCCカーや無音電車(和製PCCカー)には運転台に速度制御用の回線が設置され、架線よりも低い電圧が流れる「間接制御方式」が採用され、その中でも電流値を検知して自動的にノッチを進ませる間接自動制御が多く用いられた。これにより、従来の路面電車と比べスムーズな加減速が実現した。 だが、当時の間接制御方式は直接制御方式と比べて応答性が劣っており、非常時の急激な加減速には難があった。更に、道路環境の悪化により間接自動制御が持つ高加減速の利点が活かされなくなった事から、後年に直接制御方式へ改造された事例も存在した。また、間接自動制御についても純正PCCカーが用いたドラム式多段制御ではなく、地下鉄や郊外電車を始めとする高速車両を由来とするカム軸式多段制御方式が用いられた。
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