分化した筋肉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 15:40 UTC 版)
骨格筋の筋形成(英語版)の過程で筋芽細胞と呼ばれる前駆細胞では細胞周期の進行が起こるが、これらの細胞は分化して細胞融合を起こし、細胞周期の進行が起こらない筋細胞となる。その結果、骨格筋を構成する筋線維は筋核(myonucleus)と呼ばれる複数の核を持つ細胞となる。筋核は融合した各筋芽細胞の細胞核に由来するものである。骨格筋細胞はサルコメア(英語版)と呼ばれる細胞構造の同時収縮による収縮力を提供し続ける。筋線維形成後の細胞分裂による線維構造の破壊は筋肉全長にわたる力の伝達の妨げとなるため、これらの細胞はterminal G0 phaseに保たれている。筋肉の成長は生育や損傷によって促進され、サテライト細胞として知られる筋幹細胞のリクルートを伴う。これらの幹細胞は可逆的な静止期から脱して分化と融合を行い、並列・直列の双方で新たな筋線維を形成して力発生能力を高める。 心筋の筋形成は、骨格筋のように融合して新たな細胞を形成するために幹細胞をリクルートするのではなく、心臓の成長に伴って細胞のサイズを増加させることによって行われる。骨格筋の場合と同様、心筋組織の増加のために心筋細胞の分裂を続けると、心機能に必要な収縮構造が破壊されてしまうと考えられる。
※この「分化した筋肉」の解説は、「G0期」の解説の一部です。
「分化した筋肉」を含む「G0期」の記事については、「G0期」の概要を参照ください。
- 分化した筋肉のページへのリンク