出身地域・民族による差別
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 03:35 UTC 版)
「普通高等学校招生全国統一考試」の記事における「出身地域・民族による差別」の解説
これは、各省・自治区・直轄市ごとに「この点数以下だと大学には入学できない」というものである。具体的には、募集者数の配分が異なるため、大学が多い都市部出身の受験生よりも、大学が少ない地方出身の受験生の方が競争倍率が高くなり、合格の難易度も高くなる。ただし、難易度が高くも同じ試験問題を使用しているため、必ずしも点数が高くなるわけではない。それを原因として都市部で教育を受け、比較的に合格ラインが低い地方にて受験させようとしている状況も存在している。合格ラインが出身地域によって差別される背景には、都市部の失業または過密化問題がある。中国の大学はほとんど国立大学であり、所在地の政府から運営費などを受け取っているための顧慮があるとされている。大学の多い都市部では募集者数が多く、倍率が比較的低いである。そして政府は、地方からの労働者の流入によって都市部の失業率が悪化することを避けたいと思っており、そのため労働者だけでなく、労働者となる前の大学入学者も合格ラインに差をつけることによって流入制限を行っているという説もある。こういった状況にあるため、受験生の親がほかの地域の戸籍を取るまたはほかの地域の学籍を偽造することで、その地に受験させようとする行為も昔に見受けられる。 また、少数民族の受験者に加点して優遇するアファーマティブ・アクションも行われており、満州族の南仁東(吉林省理科状元、500メートル球面電波望遠鏡の開発者)やモンゴル族の石悦(内モンゴル自治区理科状元、ネット番組司会者)やウイグル族のアブリキム・アブドゥルスル(新疆ウイグル自治区理科状元、元楽視モバイルCEO)など少数民族で「状元」(各省・自治区・直轄市における高考の成績最優秀者)出身の各界の著名人も中国に存在する。2009年には重慶でその年の状元を含む受験者が加点を目的に少数民族に偽装して集団摘発された事件(中国語版)が起きて波紋を呼んだ。
※この「出身地域・民族による差別」の解説は、「普通高等学校招生全国統一考試」の解説の一部です。
「出身地域・民族による差別」を含む「普通高等学校招生全国統一考試」の記事については、「普通高等学校招生全国統一考試」の概要を参照ください。
- 出身地域・民族による差別のページへのリンク