出血と止血
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 07:44 UTC 版)
動物の体には、簡単な損傷であれば凝固・線溶系と呼ばれる機能があり、その流出を血液の凝固作用などによって止め、また血管が損傷箇所で収縮することでその流出を抑えようとする機能が備わっている。 凝固は血小板が刺激によって構造が変化すると共に損傷箇所の細胞表面の細胞膜上に細胞接着因子が発現、ここに繋ぎ止められる。さらに凝固因子が血液中の繊維状素材であるフィブリンを凝固させ、いわゆるかさぶたが作られるのである。 ただ、こういった動物の体に元々備わった修復機能には限界があり、毛細血管など末梢の負傷程度では問題が無いが、主要な血管や動脈が傷付いたりするほどの重大な負傷の場合は、その止血能力を超えてしまう。 治療としての止血は、こういった止血機能が働く前に失血などで重大なダメージを負わないよう、止血機能を補助することが主な方法である。圧迫止血などでは多少血がにじみ出てしまう程度の失血は続くが、それとて噴出させ続けるよりは遥かにショック状態の危険が減り、またその間に身体に備わった止血機能が働くのである。
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