出版業における委託販売
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/20 10:36 UTC 版)
出版業において「委託販売」と通称されている販売方式は、厳密には上記の委託販売とは異なり、あくまでも売買行為である。出版業の「委託販売」と元々の委託販売と区別するため、これを返品条件付き売買あるいは返品制などと呼ぶことがある。 この方式では次のような流れになる。 出版社や取次から書店に商品が売却される。この際、商品の返品条件を取り決める。売買行為であるから、商品の所有権はいったん後者に移り、会計上は前者は売上を計上でき、後者は代金を支払うことになる。 前者は会計上、返品に備えて返品調整引当金を必要経費として計上することができる。(法人税法53条) また、雑誌のうち定期刊行物については返品債権特別勘定を計上することができる。(法人税基本通達9-6-4) 商品を受け取った書店はその商品を販売する。 一定期間が過ぎても商品が販売できなかった場合、書店は返品条件に従って商品を取次に返品(=売却)する。 この方式では通常の委託販売に比べ、出版社や取次にとっては会計上有利となる。 一部の出版物では、責任販売制が2008年11月から小学館で、2009年10月から講談社で導入された。また2009年7月からは、筑摩書房、河出書房新社、青弓社、中央公論新社、二玄社、早川書房、平凡社、ポット出版が、一部書籍について35ブックスと呼ばれる責任販売制を実施している。
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