写本と構成、特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 07:52 UTC 版)
『因幡志』は複数の写本が現存するが、それぞれの相違点が大きい。因幡国一宮の宇倍神社には「阿陪恭庵自筆奉納による原典」と伝わる全86巻の『因幡志』があるものの、実際にはこれが原典であるかは不確かである。鳥取県立図書館に所蔵されている西橋蔵書版(47巻)の第1巻には、明治19年(1886年)に原本から作成された写本である旨が記されている。このほか鳥取藩の藩校・尚徳館には全36巻本が伝わる。 西橋蔵書版にしたがうと、巻の構成は次のようになっている。 首巻 2 巨濃郡 2 法美郡 2 八上郡 1 八東郡 2 智頭郡 2 邑美郡 2 高草郡 2 気多郡 2 神社之部 2 神社之図絵 3 仏閣之部 1 名所之部 1 勝地之図絵 2 国守之部 2 古城之部 2 古墳之部 3 武器図式 2 雑物図絵 2 筆記之部 7 歴世考 3 これに、同時代の鳥取藩藩医、箕浦世亮による序文が添えられている。 『因幡民談記』が国守についての記述が中心的だったのに比べると、『因幡志』は各地の地誌に比重が置かれているのが特徴である。前半を占める各郡の巻では、当時の郷村の戸数や産物、交通などが詳述されている。 なお、明治時代に「因伯叢書」として刊行され、のちにその復刻版も刊行されたものの、「校訂が不十分で脱漏も多い」とされている。
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