円筒形ボア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/05 06:20 UTC 版)
円筒形ボアの直径は、その長さに沿って一定である。音響的な挙動は、楽器が閉じている(一端が閉じていて他端が開いている)か、または開いている(両端が開いている)かに依存する。開管の場合、第1固有振動(基音)によって生成される波長は、管の長さの約2倍である。第2固有振動で生成される波長は、管の長さの半分であるため、その音高は1オクターブ高くなり、したがって、開いた円筒形ボア楽器は、オクターブでオーバーブロー(英語版)する。これは第2倍音(高調波)に相当し、一般に開いた円筒形ボア楽器の高調波スペクトル(英語版)は偶数倍音と奇数倍音の両方で強い。閉管の場合、第1固有振動によって生成される波長は、管の長さの約4倍である。第2固有振動によって生じる波長は、その3分の1、すなわち管の長さの3分の4であるため、その音高は12度高くなる。閉じている円筒形ボア楽器は12度でオーバーブローする。これは第3倍音に相当する。一般的に、閉じている円筒形ボア楽器の高調波スペクトルは、特に下の音域では、奇数倍音のみが強く現れる。しかし、現代の金管楽器は一般的に全ての音高で楽器の全長を使用しているため、マウスピース(英語版)とベルの影響を大きく受ける。これらの影響により、ボアがほとんど円筒形であっても、楽器の響きは円錐管の響きに近いものになる。 円筒形、またはほとんど円筒形のボアを持つ楽器: シャリュモー クラリネット コルナムーゼ(英語版) クルムホルン フルート(ベーム式 — 開管) リコーダー(ルネサンス期と一部の現代リコーダー) コルトホルト(英語版) ランケット(ルネサンス期) シュドロフォン(英語版) トランペット
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