公共貨幣と債務貨幣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 08:42 UTC 版)
貨幣は、公共貨幣(public money) と債務貨幣(debt money)に大別される。公共貨幣は、いかなる者にも債務を発生させることなく、公共機関の貨幣発行権に基づいて発行される。他方、債務貨幣は、だれかの債務と引き換えに発行される。 人類の歴史における主な貨幣は長らく公共貨幣であった。たとえば、古代ギリシャのエレクトロン貨、日本の和同開珎、藩札、太政官札などは、公共貨幣である。今日でも、公共貨幣は、政府発行貨幣(主に硬貨)として、わずかながら存続している。 近代の銀行制度の普及にともなって、中央銀行券、要求払預金などの債務貨幣の流通量が主流を占めるようになった。中央銀行券は、発行済みの債務証書(国債・社債など)と引き換えに、中央銀行の負債として発行される。要求払預金は、いつでも現金化できることを前提として支払手段として流通するため、一般に貨幣の一種とみなされる。要求払預金の多くは、銀行貸付にともなって、預金者の借用証書と引き換えに市中銀行の負債として「発行」される。また、その一部は、中央銀行券(債務貨幣)を市中銀行に預けることによって、その代用貨幣として「発行」される。
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