公共用財産の時効取得
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/02 15:32 UTC 版)
「取得時効 (日本法)」の記事における「公共用財産の時効取得」の解説
公共用財産(国または地方自治体の行政財産)については、民法で規定する財産法の規律が及ばず、原則として時効取得の適用がないものとされている。 しかし、判例によれば、公共用財産が、長年の間事実上公の目的に供用されることなく放置され、公共用財産としての形態、機能を全く喪失し、その物のうえに他人の平穏かつ公然の占有が継続したが、そのため実際上公の目的が害されるようなこともなく、もはやその物を公共用財産として維持すべき理由がなくなつた場合には、右公共用財産については、黙示的に公用が廃止されたものとして、これについて取得時効の成立を妨げないとしている。 なお、通説および国側の主張としては、自主占有を開始した時点で、公共用財産が、既に前述の要件に言う状態(既に黙示の公用廃止)であることが必要であるとしている。また国側の主張としては、公用廃止や機能喪失の有無が比較的な明確な里道、水路等は別段、普通財産のうち山林や原野については(現況の変更や特段の明示した意思表示が無い限りにおいては)、占有の事実認定が難しいために取得時効の援用は困難であると言う立場を取っている。。
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