八重木家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/10 01:08 UTC 版)
「風の市兵衛シリーズの登場人物」の記事における「八重木家」の解説
八重木 百助(やえぎ ももすけ) 御徒組に属する徒衆。本所の組屋敷に住んでいた。生活が苦しく、内職として夜だけ九郎平の用心棒(名目は盛り場の警護役)を務めた。また、趣味人であちこちの俳句や川柳の会に出席しており、九郎平の紹介で「天の木堂」で行なわれているの会に参加するようになる。そのため名士との交際、さらには病に倒れた父の治療費で金がかかり、お熊から借金を重ねた。 その頃、組内で行なっていた頼母子講の掛銭を預かる親の役割だったが、借金返済ために積立金約33両をすべて九郎平が勧める銅鉱山の投資話につぎ込んでしまった。しかし、鉱脈がなかなか発見できず、利益の配当に時間がかかると聞かされ、掛金を私的な投資に回したことが同僚に判明することを恐れ、水戸にかくまってやるという左金寺の話を信じて一家で夜逃げした。そして、水戸に向かう船の中で左金寺が抱える用心棒たちに殺され、おもりを付けて中川に沈められた。後に江の証言に基づく捜索により遺体が発見され、左金寺一統の捕縛が決定的となる。 八重木 江(やえぎ こう) 百助の妻。夫と息子を左金寺の用心棒らに殺され(実は息子は生き延びていたが、江は当初それを知らなかった)、水戸城下の江戸町にある女郎屋に売られてしまう。そして、自分が誰か分からない状態にする目的で、ひどい暴力と陵辱を受け続けた。ある時自分を襲いに来た男3名を殺害し、匕首と生首を持ち、血みどろの姿で町を徘徊していたところ、事情を察した菅沼に保護される。そして、療養と事情聴取の後、殺人については不問とされて江戸に戻された。 事件解決後、組の者たちは一家の罪を赦して受け入れてくれたものの、やはり組屋敷に居づらくなり、御家人株を売って夫が着服した掛銭の返済に回し、大久保百人町の実家に身を寄せた。そして、翌年の春に菅沼からある申し入れを受けることになる。 八重木 梅之助(やえぎ うめのすけ) 百助の嫡男。5歳。水戸に向かう船から川に放り投げられたが、水草に引っかかっていたのを川漁師に発見され、一命を取り留めた。その後、渋井と助弥、市兵衛に当時の出来事を話す。そして、渋井によって組屋敷の篠崎の元に送り届けられ、江が江戸に戻ってきた時に再会した。
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