八角九重塔
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 14:28 UTC 版)
境内にあった八角形の九重の塔で、暦応三年(1340年)の記録では高さは二七丈(約81m)であったとされる。屋根は十重あるが初重は裳階なので数えない。京都市動物園内の観覧車がある所に建立されていた。 塔の造営は創建から遅れる事4年後に始まり、僅か2年後の永保三年(1083年)に落慶した。九重塔はこれのほかには百済大寺のものしか知られていない。また八角平面の塔は現存する安楽寺三重塔ふくめ4例ほどとされる。 また記録などから、一般的な多層塔と異なり上層に昇れる構造であった可能性が指摘されている。 建立以来、落雷や地震により度重なる被害を受けていたが、承元二年(1208年)に落雷によって焼失。 5年後に栄西によって再建されるが康永元年(1342年)に近隣からの延焼により再び焼失。北朝により再建が計画されるが再建には至らなかった。 2010年に行われた発掘調査により規模や形式が判明しつつある。 二回目の焼失について『太平記』に檜皮葺きの屋根に延焼したと記録されている事から、京都市平安京創生館の復元模型は檜皮葺きであるが、発掘調査では塔跡から多数の瓦が出土し、創建時の塔には瓦が葺かれていたことがわかった。
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