全地の言葉を乱す
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 05:01 UTC 版)
シュメールの叙事詩『エンメルカルとアラッタ市の領主』では、ウルクの王であるエンメルカルが神話を語り始める部分として、以下のように述べられている(原典からの英訳は、サミュエル・ノア・クレーマー(Samuel Noah Kramer)による)。 かつて、蛇も、さそりもハイエナも、獅子も、 野生の犬も、狼も存在せず、 恐れも、恐怖もなく、 人間に敵するものはなかった。 かつて、シュブール(Subur)とハマジ(Hamazi)の国には、 王子の法によって治められる偉大なる地、シュメールと、 同じ言葉を話す人々が住んでいた。 また、ウリ(Uri:アッカドをさす)は、すべてがしかるべくあり、 マルトゥ(Martu:アムル人の国)は、安らかであった。 世界全体は、神エンリルのもとでひとつの言葉を話し、 調和のなかにあった。 そのとき、多産・豊穣の主であり、 知性の主であり、地を知悉する者であり、 神々の指導者である神エンキは、 エリドゥの主に知恵を授け、 ひとつの言葉を話す人間たちの 口から出る言葉を変えさせ、争いをもたらした。 — エンメルカル、シュメール『エンメルカルとアラッタ市の領主』より
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