先駆性・画風
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 00:56 UTC 版)
「シュザンヌ・ヴァラドン」の記事における「先駆性・画風」の解説
上述のように、ヴァラドンは女性画家が多くの制約を受けていた時代に、特に裸体画、それも女性だけでなく男性の裸体画を描いた先駆的な女性画家である。先駆的という意味では少し前のベルト・モリゾ(1841-1895)やメアリー・カサット(1844-1926)と並び称されることがあるが、裕福な家庭に育ったモリゾやカサットと異なり、労働者階級の出身で正規の美術教育を受けていなかったヴァラドンは、むしろそのために伝統的・保守的な画壇とは無縁に、裸体表現を含む自由な独自の画風を切り開くことができた。 女性画家として初めて国民美術協会の展覧会への出展が認められ、アンデパンタン展、サロン・ドートンヌなど大規模な展覧会に出展するなど、生前にある程度の名声を得た画家であったが、再評価が始まったのはフェミニズム・アートの紹介や研究が始まった1970年代以降のことである。日本では若桑みどりが1985年発表の『女性画家列伝』の第一章を「底辺の人間性」と題して、一人の画家、一人の女性としてのヴァラドンを論じている(上述)。 力強い線や鮮明な色彩を特徴とするヴァラドンの画風は、野獣派的・表現主義的であり、印象派、むしろポスト印象派の画家とされることが多い。 近年はユトリロを通して再評価が進んでおり、2015年には日本でも個展が開かれている。
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