儀礼への象徴的アプローチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/07 01:30 UTC 版)
クリフォード・ギアツもまた、ヴィクター・ターナーとともに始まった儀礼への象徴的なアプローチを発展させた人物のひとりである。ギアツによれば、宗教的象徴システムは現実「のモデル」(あるがままの世界を解釈するしかたを示すもの)と現実「のためのモデル」(その理想的な状態を示すもの)とを与えるものである。彼によれば儀礼の役割はこれらふたつの側面 — 「のモデル」と「のためのモデル」 — を合わせることだという。「『宗教的な概念は真実を告げるものである』また『宗教の示すところのものは信頼に価するものである』という確信がなんらかの形で生み出されるのは、儀礼 — すなわち聖化された行動 — においてなのである。」 ギアツのような象徴主義の人類学者たちは儀礼を言語的なコードとして分析し、それは文化システムとは独立に解釈することが可能であるとした。機能主義者たちは「儀礼は社会秩序を記述するものである」と考えたのであるが、ギアツはこれを退け、「儀礼は能動的に社会秩序を形づくり、無秩序な経験に意味を与える」と論じた。また、グラックマンやターナーが社会的情熱を解消する手段としての儀礼行為を強調したのに対し、彼は儀礼は単にそうしたものを表示(ディスプレイ)するのみであると論じた。
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