偶発腫瘍
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 17:30 UTC 版)
副腎の偶発腫瘍(インシデンタローマ)は、疾患の存在を疑う症状や徴候を伴わないまま、偶然に発見される副腎腫瘍である。CTやMRI、あるいは超音波検査ではじめて指摘される病変の中でも比較的頻繁にみられる所見の一つである。 副腎偶発腫瘍において、デキサメタゾン抑制試験は、潜在的なコルチゾールの過剰分泌(サブクリニカルクッシング症候群)を検索するために施行すべき検査の一つである。褐色細胞腫を否定するため、同時にメタネフリンやカテコラミンの血中濃度も測定されることが多い。腫瘍の長径が3センチメートルを下回る場合は一般的に良性腫瘍と判断され、クッシング症候群や褐色細胞腫でない限りは積極的な治療適応とならないとされる。 内分泌学的な評価のために以下の検査も施行される。 1ミリグラム デキサメタゾン抑制試験。 メタネフリンおよびカテコラミン分画の測定を目的とした24時間蓄尿検査。 血清アルドステロン濃度、および血清レニン活性。 CTにおいて、典型的な良性腺腫は、低吸収(脂肪濃度)であり、早期に造影剤の洗い出し像(10分間に50%以上)がみられる。各種検査により内分泌学的に非機能性であり、かつ画像検査で良性腫瘍が示唆された場合は、6か月後、12か月後、24か月後の画像検査と、1年に1回の内分泌学的評価を4年間継続するのが推奨されている。
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