人物・翻訳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 01:25 UTC 版)
吹き替えの創生期から第一線で活躍した。 木原の翻訳の良さには、適度な意訳も用いて喋り言葉になっている点が挙げられている。演出家の伊達康将は「自分がアテレコもやっていらしたので、演技として喋りやすい言葉を考えてくれます」と評し、同じ演出家の加藤敏は「ちゃんと喋り言葉で台詞を作ってくれる。そこが素晴らしいと思いますね」と語っている。 翻訳について「英語の場合は、ストレート過ぎる言い回しが多いのです」「(訳の)正確さも大事ですが、ただ訳しただけでは機械翻訳と同じで、意味は通じてもニュアンスは表現出来ません。そのあたりの表現が、翻訳者としての腕の見せどころだろうと考えています」と述べ、日本語として自然に聞こえることを強く意識している。例として、ある作品でヒロインが激情にかられて繰り返す『I love you!』という台詞に、日本人は『愛してる!』とはめったに言わず直訳だと不自然だと、原語の意味やニュアンスを理解した上で『私を殺して! 死んでもいいの!』という訳をつけたという。 翻訳に流行語を採り入れることは、すぐに古くなることからあまり好まなかった。また、それよりかは日本語として分かりやすく、かつ、人の心を打つ台詞を考えることを重視していた。 吹き替えでは、演出家の佐藤敏夫と組むことが多い。木原は佐藤について「翻訳を大事にしてくれる演出家なんです」と語り、現場で訳を変更する場合には必ず相談してくれたという。
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