人工射精への応用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/30 09:36 UTC 版)
ネオスチグミンを男性の脊髄に注入することで射精を誘発することができる。この方法はネオスチグミンクモ膜下注入法と呼ばれ、1947年にルートヴィヒ・グットマン(Ludwig Guttmann)が開発し、日本においても1982年以降臨床事例がある。 重度脊髄損傷による射精障害をもつ男性患者(32歳、180cm、74kg、筋肉質、仮性包茎)に対し、メチル硫酸ネオスチグミン0.5mg~1.0mgを脊髄に直接注入。その後患者を仰臥位にさせ、陰茎に精液を受けるカップを装着して経過を観察したところ、注入から1時間半から5時間半で嘔気、嘔吐と頭痛を伴いながら数分間の勃起とともに数度にわたって射精した。この人工射精は1984年から1986年まで当該患者に対し10回にわたって神戸大学医学部において行われ、採取した精液を患者の妻に対しAIH法によって人工授精が行われた。1986年の10回目で女児を挙げることに成功した。
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