京福大野駅とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 建物・施設 > 施設 > > 中部地方の廃駅 > 京福大野駅の意味・解説 

京福大野駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/25 06:20 UTC 版)

京福大野駅*
駅跡(2009年8月)
けいふくおおの
Keifuku-Ōno
大野口 (0.3 km)
所在地 福井県大野市要町
所属事業者 京福電気鉄道
所属路線 越前本線
キロ程 36.3 km(福井起点)
駅構造 地上駅
ホーム 3面3線
開業年月日 1918年大正7年)9月1日[1][2][3]
廃止年月日 1974年昭和49年)8月13日[2]
* 1955年(昭和30年)10月1日に「大野三番駅」から改称[4]
テンプレートを表示

京福大野駅(けいふくおおのえき)は、かつて福井県大野市に存在した京福電気鉄道越前本線である。

概要

京都電燈越前電気鉄道線(のちの京福電気鉄道越前本線)は、1914年大正3年)4月に大野町の市街地入口に当たる地域まで開通し、のちに大野口駅となる駅を設けた[5]。その後、利便性向上のため、町中心部の大野三番地区まで延長することとなり、4年後の1918年(大正7年)9月1日に延長線が開通した[3][5]。これに伴って開業したのが当駅である。開通当初は大野三番駅(おおのさんばんえき)となっていたが、1954年昭和29年)に市制施行した大野市から「大野三番という一部地域の名称ではなく大野市全体の名称に変更してほしい」という要望から[4]、京福大野駅に改称した[3][6]。大野口駅は貨物取扱を中心とする駅となり、旅客中心の当駅との間で機能を分離する形となった[6][7]

大野市の中心部に位置し、市内に唯一連絡する鉄道駅として長らく重要な役目を果たしてきたが、1960年(昭和35年)12月の国鉄越美北線開通で越前大野駅が開設されると、競合により利用客が減少し[3]モータリゼーション進展の影響も受けて[4]業績が悪化したことから、1974年(昭和49年)に越前本線勝山 - 当駅間が廃止となり、これにより当駅も廃駅となった[5]

越前本線の勝山側と大野側の間には下荒井トンネルがあり、このトンネルは幅が狭く、天井高さも低いことから通過できる車両が限られていた[3]。勝山 - 当駅間は、251形電車などの比較的小型の車両しか使用されなかった[8]。トンネル内の架線は天井の低さからシンプルカテナリーに出来ず直接吊架式で、パンタグラフ摺り板と懸垂碍子との衝突事故を防ぐため、22km/hの速度制限がかけられていた。

歴史

駅構造

3面3線の頭端式ホームを有していた[10]。1番線には、付随車牽引時の電動車付け替えに使用するため、2番線との間に機回し用渡り線があった[10]。駅舎は1956年(昭和31年)10月に、これまでの木造から「京福大野駅ビル」として鉄筋コンクリート造に建て替えられた[11]。大野市が市制施行したのを記念したためである[12]。2階はスーパー、京福マートであった。

輸送実績

年度 1920年 1925年 1930年 1935年
乗客人員(人) 105,432 139,877 134,647 126,275
  • 福井県史統計編 第504表 越前電気鉄道旅客・貨物[13]
  • 貨物は掲載なし

京福大野駅跡地

当駅廃止後、京福大野駅ビルは福井銀行の店舗(現在の大野支店三番通出張所)となったが、1992年に解体され銀行の駐車場になった[3][11]。駅前ロータリーのあった場所はその部分だけ道幅が広くなっている。その向かいにあるタクシー乗り場の建物には駅が健在であった時代の観光案内の看板が残存している[3]

隣の駅

京福電気鉄道
越前本線
中津川駅 - 大野口駅(貨物駅) - 京福大野駅

脚注

  1. ^ a b 京福 2003, p. 23.
  2. ^ a b c d 寺田 2008, p. 70.
  3. ^ a b c d e f g h i j 安田・松本 2017, p. 22.
  4. ^ a b c d e 京福 2003, p. 61.
  5. ^ a b c 鉄道ピクトリアル』2001年5月臨時増刊号(通巻第701号) 北陸地方のローカル私鉄特集 p.107
  6. ^ a b 『鉄道ピクトリアル』2001年5月臨時増刊号(通巻第701号) 北陸地方のローカル私鉄特集 p.178
  7. ^ 京福 2003, p. 60.
  8. ^ 勝山 - 当駅間廃止直前に導入が始まったモハ3001形電車も、下荒井トンネルの通過が不可能だった。廃線が決まったために導入に踏み切ったといういきさつがあるとされる(『鉄道ピクトリアル』2001年5月臨時増刊号(通巻第701号) 北陸地方のローカル私鉄特集 p.112)。
  9. ^ 市政大野 第244号”. 大野市. p. 5 (1974年9月1日). 2020年10月21日閲覧。
  10. ^ a b 『鉄道ピクトリアル』2001年5月臨時増刊号(通巻第701号) 北陸地方のローカル私鉄特集 p.177
  11. ^ a b 寺田 2008, p. 71.
  12. ^ 京福 2003, p. 3.
  13. ^ 福井県史統計編表題、表側、表頭項目 第501〜520表”. 福井県文書館 | デジタル歴史情報. 福井県文書館. 2023年5月7日閲覧。 “(※資料の閲覧はMicrosoft Excelが必要)”

参考文献

関連項目

外部リンク





固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「京福大野駅」の関連用語

京福大野駅のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



京福大野駅のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの京福大野駅 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS