二次元あるいは三次元
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/09 01:26 UTC 版)
二階微分の対称性とは、大抵の素性の良い函数 Q が ∂ 2 Q ∂ x ∂ y = ∂ 2 Q ∂ y ∂ x {\displaystyle {\frac {\partial ^{2}Q}{\partial x\,\partial y}}={\frac {\partial ^{2}Q}{\partial y\,\partial x}}} を満たすことを言うものである。これを用いれば、xy-平面上の単連結領域 R において、微分形 A(x, y)dx + B(x, y)dy が完全微分となるための必要十分条件は ( ∂ A ∂ y ) x = ( ∂ B ∂ x ) y {\displaystyle {\Bigl (}{\frac {\partial A}{\partial y}}{\Big )}_{x}={\Bigl (}{\frac {\partial B}{\partial x}}{\Big )}_{y}} を満足することである。 同様に三次元の場合、微分形 A(x, y, z)dx + B(x, y, z)dy + C(x, y, z)dz が xyz-座標空間の領域 R において完全微分となるのは、A, B, C が関係式 ( ∂ A ∂ y ) x , z = ( ∂ B ∂ x ) y , z ; ( ∂ A ∂ z ) x , y = ( ∂ C ∂ x ) y , z ; ( ∂ B ∂ z ) x , y = ( ∂ C ∂ y ) x , z {\displaystyle {\Bigl (}{\frac {\partial A}{\partial y}}{\Big )}_{x,z}={\Bigl (}{\frac {\partial B}{\partial x}}{\Big )}_{y,z};\quad {\Bigl (}{\frac {\partial A}{\partial z}}{\Big )}_{x,y}={\Bigl (}{\frac {\partial C}{\partial x}}{\Big )}_{y,z};\quad {\Bigl (}{\frac {\partial B}{\partial z}}{\Big )}_{x,y}={\Bigl (}{\frac {\partial C}{\partial y}}{\Big )}_{x,z}} を満足するときである。 これらの条件は以下のように述べることもできる。対応するベクトル値函数のグラフを G とすれば、「曲面」G の任意の接ベクトル X, Y に対して斜交形式 s を以って s(X, Y) = 0 が成り立つ。 二階微分の計算において微分する順番は問わないのだったから、これらの条件を一般化するのは容易である。例えば、四変数函数に関する完全微分 dQ を得るには、六つの条件を満足するべきことがわかる。 簡単にまとめると、与えられた微分形が完全微分 dQ となるのは 函数 Q が存在して 線積分 ∫ i f d Q = Q ( f ) − Q ( i ) {\textstyle \int _{i}^{f}dQ=Q(f)-Q(i)} が積分経路に依らない ときである。
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