二人のやもめとは? わかりやすく解説

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ふたりのやもめ【二人のやもめ】

読み方:ふたりのやもめ

原題、(チェコ)Dvě vdovy》スメタナオペラ。全2幕。1873年から1874年にかけて作曲。F=マルフィーユの戯曲に基づく。ボヘミアの館を舞台に、独身姉妹それぞれ結婚に至るまでを喜劇風に描いた作品


二人のやもめ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/10 15:16 UTC 版)

二人のやもめ』(チェコ語: Dvĕ vdovy)は、ベドルジハ・スメタナ作の2幕のチェコ語によるオペラ。リブレットの作者は、エマヌエル・フランチシェック・ズンゲルチェコ語版で、フェリシアン・マルフィーユ英語版による一人劇『Les deux veuves』をモデルとしている。

上演史

1861年にチェコに戻ったスメタナは創設されたばかりの国民劇場(当時は仮劇場)のためのオペラに取り組んだ[1]。そして二作目のオペラ『売られた花嫁』(1866年)で大成功を収めていた[1]

その後、スメタナはオペラ『ダリボル』、『リブシェ』、『二人のやもめ』を完成させた[1]

オペラ『二人のやもめ』の作曲は、1873年6月から1874年1月にかけて行われた。初演は1874年3月27日に仮劇場で、スメタナ自身の指揮の下、行われた。しかし、このオペラの初演は成功したとは言い難く、同年中に改訂が行われている。ジングシュピールオペラ・コミックのように語られる台詞による対話の場面が、通作されたレチタティーヴォに置き換えられ[2]、いくつかの音楽と登場人物が再構成されている。改訂版の初演は、1874年10月20日に行われ、こちらは大きな成功を収めている。この作品は更に改訂が行われ、最終版は1878年3月17日アドルフ・チェフの指揮の下、初演されている。この間、1874年にスメタナは難聴を患って聴覚を失っている[1]

スメタナ最晩年の1882年ハンブルクで行われた上演では、"スメタナは渋々第1幕にトリオ、第2幕のアグネスのアリアへの別のエンディングを追加し、更に3幕構成に再構成して上演することに同意した"[2]

アメリカ合衆国での初上演は、1949年10月23日ニューヨークで行われた。イギリスにおいては、1963年6月17日ギルドホール音楽演劇学校で初上演されている[2]

ドイツ人音楽学者クルト・ホノルカドイツ語版は、1958年にこのオペラのドイツ語版を作成している。

2008年エディンバラ・フェスティバルにおいては、スコティッシュ・オペラ英語版によって上演が行われている[3] [4]

配役

役名 声域 初演のキャスト,
1874年3月27日
(指揮:ベドルジハ・スメタナ)
カロリーナ, 若きやもめ ソプラノ
アネシュカ, カロリーナの姉妹で、同じく若きやもめ ソプラノ
ラディスラフ, 地主 テノール
ムムラル バス
トニーク, 庭師 テノール
リドカ, トニークの婚約者, a chamber girl ソプラノ
Peasants, choir

梗概

舞台:ボヘミアチェコ)の館

第1幕

館で祝典が行われている。2人のやもめ、カロリーナとアネシュカはそこに住んでいたが、全く異なっていた。女地主であるカロリーナは自由で自立した生活を楽しんでいたが、妹のアネシュカはいまだに喪に服しており、友人を作ることもできなかった。カロリーナは、求婚者であるラディスラフに抱擁されていたが、彼女自身は結婚することを望んでなどいなかった。そこでカロリーナは、妹アネシュカがラディスラフとの恋に落ちるよう、陰謀を企てる。カロリーナはラディスラフを館へと招くが、そこで彼はムムラルによって捕らえられてしまう。ラディスラフは処罰を受け入れ、その館に一日幽閉されることとなる。しかし、アネシュカは彼に対して何の興味も持たない。第1幕の終わりには、庭師のトニークとその婚約者であるリドカが愛について歌う。

第2幕

捕らえられている間、ラディスラフは愛の歌を歌う。それは、アネシュカの中の愛情を呼び起こす。しかしアネシュカは、その感情を認めることができない。カロリーナの陰謀とラディスラフの告白をもってしても、アネシュカの感情を変えることは出来なかった。ただ、カロリーナがラディスラフといちゃつき始めたときに、アネシュカはラディスラフへの感情を感じるだけであった。嫉妬深いムムラルは、リドカとトニークがお互いに愛を深めるのを留めることができない。そして、舞踏会で彼ら双方は結婚する。

録音

参照

注釈
  1. ^ a b c d 東京フィルハーモニー交響楽団. “第75回休日の午後のコンサート”. 2019年10月20日閲覧。
  2. ^ a b c Holden p. 860
  3. ^ Reynolds, Mike "Smetena: The Two Widows (review with photos) on musicalcriticism.com Retrieved 4 March 2012
  4. ^ Jeal, Erica, "Edinburgh festival: The Two Widows", review of the performance in The Guardian (London), 11 August 2008. Retrieved 4 March 2012
  5. ^ Roseberry, Eric, Review of The Two Widows (June 1993). The Musical Times, 134 (1804): p. 348.
  6. ^ Zychowicz, James L. "SMETANA: Dvě vdovy (The Two Widows) review of the recording 17 August 2008 on operatoday.com Retrieved 4 March 2012
文献
  • Holden, Amanda (Ed.), The New Penguin Opera Guide, New York: Penguin Putnam, 2001. ISBN 0-14-029312-4

外部リンク



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