事件処理交渉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/14 14:33 UTC 版)
「中国民航機韓国着陸事件」の記事における「事件処理交渉」の解説
ハイジャック防止条約では、機体と乗客は速やかに返還し、ハイジャック犯人は当事国のいずれかが刑事裁判で裁くとしていた。しかし中国と韓国はハイジャック防止条約に締結していたが、国交がなかった。そのうえ、双方とも互いを国家として承認していなかった。これは中国は朝鮮半島唯一の合法政府として北朝鮮を、韓国は中国唯一の合法政府として中華民国(台湾)を承認していた為であった。 中国から早速特別機でソウルの金浦空港に事後処理のため中国民用航空総局局長を団長とする交渉団が派遣された。この場で初の直接交渉を行っている。交渉では、それまで「中共」「南朝鮮」と呼び合っていたが、この交渉で初めて「中華人民共和国」「大韓民国」と呼ぶようになった。これは韓国側が1986年アジア競技大会、1988年のソウルオリンピックを成功させるため、是が非でも中国の参加を取り付けたいとの思惑もあった。 なお、ハイジャックされた機体であるが、着陸した滑走路から燃料を積んだ上での中国への飛行は不可能であった為、韓国人パイロットの手で金浦空港へ回送された。また乗客はこの間、バス観光旅行に招待されるなどの接待を受けた。ハイジャック機は5月19日に帰国したが、乗務員は的確な判断で凶悪なハイジャック犯と対応したとして表彰された。
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