予備的暗算
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 02:40 UTC 版)
初級の場合は予備的暗算は筆算を教えるときに計算の理解を容易にする。たとえば、「13635÷43=317あまり4」の筆算をやらせる場合、予備的暗算として、減法として「136-129=7」「73-43=30」「305-301=4」、乗法として「43×1=43」「43×2=86」「43×3=129」「43×7=301」「43×8=344」「43×9=387」、除法として「13÷4=3あまり1」「7÷4=1あまり3」「30÷7=4あまり2」を暗算できるようにしておけば、筆算を行うときに容易にできる。しかし、現在の実際の授業では突然13635÷43をやっているから子供はできないのである。筆算の基礎を教える前に予備的暗算を教えておくことが必要である。 文章題・応用問題を初めて教えるときも予備的暗算が必要である。たとえば「甲乙の二人同時に同じ場所から出発し、同方向に進み、甲は毎日13里、乙は毎日10里半進み、15日後に甲はどこまで進み、乙は何里遅れるか」という問題を最初に課すことは子供には困難である。そこで「太郎と二郎の2人が同時に学校を出発して東の方に進んでいくのだ。そこで太郎は一日に10里進む。二郎は7里しか歩けないのだ。一日に太郎は何里先に行くか。二郎は何里遅れるか。そうだ、1日に二郎は3里遅れる。しからば5日では?、そうだ3・5・15(さんごじゅうご)里だ。10日では?、そうだ30里。しからば15日では?」というように予備的暗算を教えることで、その道理を導くことができればその理解が容易になる。その後でこの応用問題を出せば、「先生分かりました」とすぐに挙手する。このときの子供の勢いというものは大したものである、と廣田は述べている。
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