乗用多連プラウ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 06:10 UTC 版)
牛馬に牽引される初期の鉄製プラウは、1000年もの昔と同じようにプラウの後ろについて歩く方式で、農夫はプラウの両脇から伸びるハンドルを握って操作していた。鉄製プラウは根や土塊を容易に切断することが出来るため、絶え間なく刃の動きを調整する必要が殆ど無く、とても簡単に土の中を牽引することができる。 その結果、それほど時間もかからずに最初の乗用プラウは現れた。これらは、車輪がプラウと地面の深さを調整し、今まで歩いていた農夫は備え付けられた椅子に腰掛け、方向の制御は主にプラウを牽く牛馬を通じて操作し、細かい微調整はレバーで行った。この乗用の多連プラウは非常に急速に普及し、プラウ耕の作業能率を劇的に向上させた。 きれいで軽い土壌であれば、1頭の馬でひとつのプラウを引くことが出来るが、重い土壌では2頭の馬を必要とし、1頭は未耕地を、もう1頭は犂床の中を歩く。2連以上のプラウでは、2頭以上の馬が必要になり、普通その中の1頭以上はプラウで既に耕起された軟らかい土壌の上を歩かなければならず、その馬にとっては困難を極める。そのため、30分毎に10分程その馬を休ませるのは普通の事であった。 ニュージーランドでよく見られる、重い火山性のローム土では、2連のプラウを牽くために4頭の屈強な馬を用いる。圃場が正方形に近い場合は、前後に2頭ずつ配置するよりは、4頭をハーネスを使って横に並べた方が経済的であり、それに伴い常に1頭の馬は耕起された土の上にいる状態になる。 アーミッシュの農家は、春にプラウで耕起する際に約7頭立ての馬かラバを使用する傾向があり、そして、しばしばお互いがプラウでの耕起作業を助け合う時には、正午を目処にその馬達を時々交換する。この方法で軽い土壌ならば約10エーカー(40,000m2)、重粘土の土壌でも約2エーカー(8,100m2)の面積をプラウで一日に耕起することができる。[要出典]
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