乗客の解放と主犯の銃乱射
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 14:23 UTC 版)
「瀬戸内シージャック事件」の記事における「乗客の解放と主犯の銃乱射」の解説
ぷりんす号は愛媛県の松山観光港に午後9時40分に入港した。その際Xは、船長を交渉役にして、代わりの船を用意するか給油をさせれば乗客を降ろすと伝えた。愛媛県警は代わりの船は提供せず、給油を行った。なお愛媛県警は給油時に係員に変装した警察官2人を船に乗せ、隙を見て犯人を取り押さえる計画を立てたが、Xに「油をつんでも、人間はつむな」と要求されたことから断念した。 その後、乗客は全員解放されたが、乗員は解放されず、ぷりんす号は翌日午前0時50分に松山観光港を出発した。ぷりんす号は一時来島海峡に向かい今治市沖に到達したあと針路を変え8時50分に宇品港に戻ってきた。この時、Xは逮捕された仲間を連れて来いと要求した。また、岡山県に住む父親(当時58歳)と姉はXの説得を試みていたが、彼からは「帰れ」と拒絶されて失敗。その後、Xはライフル銃を乱射し、警察官1人が撃たれて重傷を負い、強行偵察中の警察のヘリコプターも撃たれて墜落寸前となった。一連の犯行でXの被疑容疑は刑法の殺人未遂罪、強盗罪、公務執行妨害罪、逮捕監禁罪、艦船損壊罪、器物損壊罪、強要罪のほか暴力行為等処罰に関する法律および航空法違反と多数であった。また、最終的に使用された散弾は64発、ライフル銃弾は50発であった。 船長はいったん船外に出て犯人の要求を伝えたが、同時に「犯人は警察隊と撃ち合いになって死にたいと思っている」ことも伝えた。またXが再びぷりんす号を出航させる気でいることも判明した。そのため広島県警はこれ以上の被害拡大を恐れ、県警本部長が現場で確認したうえで、場合によっては緊急避難措置として射殺も致し方ないとして発砲を許可した。なお、県警本部長は後に「急所を外すように指示した」と語っている。
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