主な前震のケース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 09:53 UTC 版)
1891年の濃尾地震(Mj8.0)で、本震の3日前の10月25日に揖斐川下流域でM6.0の地震が観測されたが、この地震も前震であった可能性がある。 1960年のチリ地震(Mw9.5)では、本震の約33時間前にM8.2、約9時間前にM7.1とM6.8、約15分前にM7.9の前震が発生していた。 1995年に発生した兵庫県南部地震(Mj7.3)では本震発生の前日に前震が4回観測された。しかしいずれも規模が小さく(最大M3.3)、これは本震発生後に判定されたことである。 2003年の宮城県北部地震(Mj6.4)では、本震の7時間前に震度6弱の地震が観測されたが、この地震も前震だった。前震がM5を超えた地震はほかに2008年5月8日の茨城県沖地震(M6.4)や2010年3月13日の福島沖地震(M5.5)が挙げられる。 2011年の東北地方太平洋沖地震(Mw9.0)では発生2日前の3月9日からM7.3(震度5弱)を皮切りにして地震が多数観測されたが、後にこれらは前震であった可能性があると発表された。Mw9.0の本震が発生するまではM7.3の地震を本震、それ以後の地震は余震と判断されていた(詳細記事)。 2013年のソロモン諸島沖地震(Mw8.0)では、本震の約2週間前からM6.0以上の地震が7回、M5.0-5.9の地震が16回発生するなど震源周辺で顕著に地震活動が活発化していた。また、この地震活動では本震と同じプレート境界型の地震が活発化していた他、正断層・横ずれ断層の内陸の震源の浅い地震も同時期に活発化していた。 2016年の熊本地震(Mj7.3)では、発生28時間前の4月14日にM6.5(震度7)の地震を中心にM6.4(震度6強)などの地震が多く観測されたが、後にこれらは前震であると判断された。 2022年の福島県沖地震(Mw7.3)では、本震の2分前に福島県沖の深さ57kmを震源とするM6.1の地震が発生し、宮城県石巻市と福島県相馬市で震度5弱を観測した。このM6.1の地震が本震を誘発した可能性がある。
※この「主な前震のケース」の解説は、「前震」の解説の一部です。
「主な前震のケース」を含む「前震」の記事については、「前震」の概要を参照ください。
- 主な前震のケースのページへのリンク