中心位に関する議論の歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/28 15:49 UTC 版)
中心位は、20世紀前半から歯科医学研究者に使用されてきている専門用語である。1935年、Schuylerは、中心位の早期接触が顎口腔系の病的変化と密接な関係があることを指摘した。1955年、McCollumは、中心位の経年的変化が少ないことを発見した。1956年、アメリカ歯科補綴用語委員会は、中心位を下顎最後方位とする定義を発表した。1968年、McCollumは、中心位にターミナル・ヒンジ・アキシスという概念を取り入れた新たな定義を提唱した。 中心位早期接触の是正方法については、McCollum、Stallard、Stuart、Thomas、Guichetらが言及し、Posselt、Ramfjordらが、中心位と顎関節症との関係について学説を展開している。 理想咬合について、McCollumをはじめとするナソロジー学派の研究者は中心位と咬頭嵌合位を一致させることを提唱し、Schuyler、Pankey、Mann、Posselt、Ramfjordらは中心位と咬頭嵌合位との間にロング・セントリックあるいはワイド・セントリックを与えることを提唱した。 以上のことから、中心位は、20世紀前半から現在に至るまで、様々な分野において研究されてきている。それらの研究は、定義、意義、理想咬合の要素、治療目標、疾患との関係、咬合診断、咬合病治療への応用など多方面におよび、現歯科医療の診断・治療技術に多大な貢献を果たしている。
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