中世の労働と貨幣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 07:21 UTC 版)
1日あたりの名目賃金は、建築や技術職で100文(=米一斗)〜110文、半熟練労働で50文、非熟練労働で10文〜20文だった。1文は約100円にあたり、賃金に加えて現物の食料が付いていた。中世の工人の労働時間は日の出から日没までであったが、古代の労働時間とは異なり日照時間とは関係なく日給となっていた。このため雇用者側としては日照時間が長い夏のほうが短期間かつ安い賃金で完成でき、季節によって労働価格は変動していた。報酬の計算は銭建てであり、古代の米建てとは異なっており、支払いも基本的に銭で行われた。16世紀には銭の不足が続いたため、銭の賃金が一定であることは実質賃金の上昇につながった。しかし質が安定しない鐚銭の普及にともなって、銭建てから米建てへと移行が進んだ。
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