不戦条約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 07:35 UTC 版)
ハーグ平和会議の開催(1899年(明治32年)、1907年(明治40年))など19世紀末から、国際法上において侵略戦争を実定法により規制し平和を確保するための努力が進められ、国際連盟規約(1919年(大正8年))、ジュネーヴ議定書(1924年(大正13年))、不戦条約(パリ不戦条約、戰爭抛棄に關する條約)などが締結された。このうち不戦条約は第一次世界大戦後の1928年(昭和3年)に多国間で締結された国際条約である。同条約では国際紛争を解決する手段としての戦争を放棄し、紛争は平和的手段により解決することなどを規定した。 Kellogg-Briand TreatyARTICLE IThe High Contracting Parties solemnly declare in the names of their respective peoples that they condemn recourse to war for the solution of international controversies, and renounce it, as an instrument of national policy in their relations with one another. ARTICLE IIThe High Contracting Parties agree that the settlement or solution of all disputes or conflicts of whatever nature or of whatever origin they may be, which may arise among them, shall never be sought except by pacific means. — Kellogg-Briand Treaty 不戦条約第一條締約國ハ國際紛爭解決ノ爲戰爭ニ訴フルコトヲ非トシ且其ノ相互關係ニ於テ國家ノ政策ノ手段トシテノ戰爭ヲ抛棄スルコトヲ其ノ各自ノ人民ノ名ニ於テ嚴肅ニ宣言ス 第二條締約國ハ相互間ニ起ルコトアルヘキ一切ノ紛爭又ハ紛議ハ其ノ性質又ハ起因ノ如何ヲ問ハス平和的手段ニ依ルノ外之カ處理又ハ解決ヲ求メサルコトヲ約ス — 戰爭抛棄ニ關スル條約 日本国憲法第9条第1項の「国際紛争を解決する手段としては」の文言の解釈については、不戦条約にある「國際紛爭解決ノ爲」の文言との関係をどうみるべきかという観点から学説は分かれており、憲法第9条全体の解釈として一切の戦争を放棄しているとするのであれば「国際紛争を解決する手段としては」の文言についても不戦条約等の国際法上の用例に拘泥すべきでないとする説 と憲法9条は平和という国際関係と密接な関連性を有するもので「国際紛争を解決する手段としては」の文言についても不戦条約等の国際法上の用例を尊重すべきであるとする説 が対立している。
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