下請負契約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/14 23:00 UTC 版)
請負においては契約上の完成すべき時期までに内容となる仕事が完成しさえすれば債務は履行されたことになることから、仕事内容が請負人による労務でなければならない場合(講演や演奏など)や特約のある場合でない限り、請負人は自由に第三者を履行補助者や下請負人(履行代行者)として用いて仕事の完成にあたらせることができる。 請負において請負人が仕事を完成させるために第三者に仕事を請け負わせることを下請負といい、その第三者を下請負人(下請け)、仕事の完成のために下請負人を用いる者を元請負人(元請け)という。また、下請負契約の請負人がさらに第三者に仕事完成を請け負わせる場合(孫請け)もある。下請会社との関係は実質的にみて契約の内容が売買や製作物供給契約である場合もあり、また、孫請けの場合には材料の供給や指揮監督の点から雇用契約に近い性質をもつ場合もあるとされる。なお、下請人の保護を図る必要から、建設業における下請負契約(下請契約)は建設業法において一定の制約を受ける(建設業法16・22・23条)。また、1958年(昭和33年)に下請代金支払遅延等防止法が制定されている。 請負人(元請負人)は履行補助者や下請負人の故意・過失の行為に対して責任を負う。 下請負契約はもとの請負契約とは別個独立した関係にあり、注文者と下請負人との間には直接の法律関係はなく、下請負契約ともとの請負契約とは互いに影響を与えるものではない(大判明41・5・11民録14輯558頁)。もとの請負契約において下請負禁止の特約がある場合にも、下請負契約は当然には無効とならず、この場合には請負人が特約違反の責任を負うことになる(大判明45・3・16民録18輯255頁)。
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