一般的な独楽の運動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 15:44 UTC 版)
まず、最初に与えられた回転が持続するのは、フライホイールとしての働きである。 続いて、一般的な、軸を持って基盤上で回転する独楽の運動には、一定の型がある(ここでは基盤が水平な平面の場合のみとする)。 回転を与えられ、基盤の上に置かれると、一般に完全に垂直に置くことはできないので、独楽はやや傾いて回転を始めるが、直後より回転軸の傾きの方向が次第に変わってゆく。これはジャイロ効果#ジャイロモーメントによるものである。あわせて、軸の先は台の上で円を描いて、下端から回転軸方向の上方に伸ばした線のどこかに静止する点があるような運動をする。後者はジャイロ効果とはされない。両者をあわせてみそすり運動というが、前者のみを指すこともある。前者は地球の歳差運動と力学的に同様のものである。 多くの場合、回転軸が鉛直方向を取るように、次第に立ち上がる。それにつれて、軸先端の描く円は次第に小さくなり、やがて完全に鉛直となる。独楽は、自転運動と軸の先の摩擦により位置を微動する他は静止したようになる。静止した独楽が安定するのはジャイロ効果#回転軸保存性による。 やがて回転が遅くなるにつれて、その回転軸が傾き、再びみそすりを始める。やがて軸が傾いて胴体が土台に触れた途端、独楽はこれまでのみそすりと反対方向へ回ってその動きを止める。 なお、正確に作られていない独楽は、回転が収まらず、軸の先ががりがり音を立てたり、軸がぶれたりする。これを独楽が暴れるという。これは、摩擦の影響と、軸がそもそも慣性主軸からズレているために起こるもので、回転の中心と床との接触点のズレのために、自由歳差運動が止まらなかったり、コマが丸ごとブレるためである。よくできた独楽では、直立する姿勢を取ると、一見回っているようには見えないほどになり、これを「独楽が眠る」と表現することもある。 意図的に(自由歳差運動ではない)みそすりが継続するよう作られた独楽や、回転軸がどんどんズレて逆立ちするような独楽もある(後述)。
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