一様有界とは? わかりやすく解説

一様有界性

(一様有界 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/31 02:34 UTC 版)

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数学の分野における有界関数とは、下界上界、すなわちその関数のどの値の絶対値よりも大きい定数が存在する関数のことを言うが、そのような関数のを考えた場合には、関数によってそのような定数が異なるものとなる場合がある。もしもそれら全てを抑えるような一つの定数を見つけることが出来るなら、そのような関数の族は一様有界(いちようゆうかい、: uniform bounded)であると呼ばれ、そのような性質のことを一様有界性(いちようゆうかいせい、: uniform boundedness)と呼ぶ。

関数解析学における一様有界性原理英語版は、作用素の族が一様有界であるための十分条件を与える。

定義

実数直線および複素平面において

を、 によって添え字付けられている関数の族とする。ここで は任意の集合で、実数あるいは複素数の集合である。一様有界であるとは、

を満たすようなある実数 が存在することを言う。

距離空間

一般的な場合として を、距離 を備える距離空間とする。このとき、集合

一様有界であるとは、

を満たすような の元 と、ある実数 が存在することを言う。

  • 有界関数の一様収束列は、一様有界である。
  • すべての実数 整数 に対して定義される関数 の族は、1 によって抑えられ、一様有界である。
  • 上の例の関数の導関数 の族は、一様有界ではない。各 によって抑えられるが、 をすべての整数 に対して満たすような実数 は存在しないからである。

参考文献

  • Ma, Tsoy-Wo (2002). Banach-Hilbert spaces, vector measures, group representations. World Scientific. p. 620pp. ISBN 981-238-038-8, important to look up the site on its preface 

一様有界

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 09:48 UTC 版)

粗空間」の記事における「一様有界」の解説

集合族 V {\displaystyle {\mathcal {V}}} に対し Δ V {\displaystyle \Delta _{\mathcal {V}}} を Δ V := ⋃ V ∈ V V × V {\displaystyle \Delta _{\mathcal {V}}:=\bigcup _{V\in {\mathcal {V}}}V\times V} と定義する粗空間 X 上の集合族 V {\displaystyle {\mathcal {V}}} に対し、 Δ V {\displaystyle \Delta _{\mathcal {V}}} がその粗構造に関する近縁となるとき V {\displaystyle {\mathcal {V}}} は一様有界であるという。 集合族 U {\displaystyle {\mathcal {U}}} が集合族 V {\displaystyle {\mathcal {V}}} の細分であるとは、各 U ∈ U {\displaystyle U\in {\mathcal {U}}} に対して、ある V ∈ V {\displaystyle V\in {\mathcal {V}}} が存在して U ⊆ V {\displaystyle U\subseteq V} となることをいう。 Θ {\displaystyle \Theta } を粗空間 X {\displaystyle X} 上の一様有界な集合族からなるクラスとする。この時 Θ {\displaystyle \Theta } は以下の条件を満たす。 X {\displaystyle X} 上の一点集合全体 { { x } : x ∈ X } {\displaystyle \{\{x\}:x\in X\}} は Θ {\displaystyle \Theta } に属す。 U {\displaystyle {\mathcal {U}}} と V {\displaystyle {\mathcal {V}}} が Θ {\displaystyle \Theta } に属すとき、その合併 U ∪ V {\displaystyle {\mathcal {U}}\cup {\mathcal {V}}} も Θ {\displaystyle \Theta } に属す。 U {\displaystyle {\mathcal {U}}} と V {\displaystyle {\mathcal {V}}} が Θ {\displaystyle \Theta } に属すとき、 { Δ V ( V ) : V ∈ V } {\displaystyle \{\Delta _{\mathcal {V}}(V):V\in {\mathcal {V}}\}} も Θ {\displaystyle \Theta } に属す。 V {\displaystyle {\mathcal {V}}} が Θ {\displaystyle \Theta } に属し、 U {\displaystyle {\mathcal {U}}} が V {\displaystyle {\mathcal {V}}} の細分のとき、 U {\displaystyle {\mathcal {U}}} も Θ {\displaystyle \Theta } に属す。 この条件を満たす集合族のクラス Θ {\displaystyle \Theta } が与えられたとき { Δ V : V ∈ Θ } {\displaystyle \{\Delta _{\mathcal {V}}:V\in \Theta \}} はある粗構造基本近縁系となる。

※この「一様有界」の解説は、「粗空間」の解説の一部です。
「一様有界」を含む「粗空間」の記事については、「粗空間」の概要を参照ください。

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