一時的 vs 永続的/安定的タンパク質複合体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/06 17:54 UTC 版)
「タンパク質複合体」の記事における「一時的 vs 永続的/安定的タンパク質複合体」の解説
一時的タンパク質複合体は、生体内(in vivo)で一時的に形成・分解されるのに対し、永続的複合体は比較的長い半減期を持っている。通常、偏性相互作用[訳語疑問点] (英語: obligate interactions; 偏性複合体のタンパク質-タンパク質相互作用) は永続的であるのに対し、非偏性相互作用は永続的または一時的のいずれかであることが判明している。偏性相互作用と非偏性相互作用の間には明確な区別はなく、むしろ、pHやタンパク質濃度などのさまざまな条件に依存する連続体が存在していることに注意を要する。 ただし、一時的相互作用と永続的/安定的相互作用の特性には重要な違いがある。安定した相互作用は高度に保存されているが、一時的な相互作用は保存されていないこと、安定した相互作用の両端にある相互作用タンパク質は一時的な相互作用よりも共発現する傾向が強いこと (実際、一時的に相互作用する2つのタンパク質間の共発現確率はランダムな2つのタンパク質よりも高くはない)、一時的な相互作用は安定した相互作用に比べて共局在化していないことが挙げられる。 本質的には一過性であるが、一時的相互作用は細胞生物学にとって非常に重要である。ヒトのインタラクトーム(英語版)にはそのような相互作用が豊富に含まれており、これらの相互作用が遺伝子制御やシグナル伝達の主役となっており、天然変性領域 (英語: intrinsically disordered regions (IDR): ネイティブ状態で動的な相互変換構造を示すタンパク質中の領域) を持つタンパク質は、一時的な制御とシグナル伝達の相互作用に富んでいることがわかっている。
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