ヴィックファース・カンパニー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/18 20:32 UTC 版)
「ヴィック・ファース」の記事における「ヴィックファース・カンパニー」の解説
1963年に創業され、マサチューセッツ州ボストンに本社を置いていた同社は、世界最大のドラムスティックとマレットの製造業者と称しており、2012年以来メイン州ニューポート(英語版)で生産をおこなっている。2010年に同社はアヴェディス・ジルジャン社と合併したが、当時の役員たちは、両者がそれぞれ独立に経営されると述べていた。 同社の創業は、ボストン交響楽団で12年間演奏していたファースが、当時製造されていたドラムスティックより、さらに質の高いものが必要だと感じるような楽曲の演奏を求められたことが契機であった。ファースは、自ら自分の使うドラムスティック類をデザインすることを決意した。 ファースは最初の試作品のスティックを、太めのスティックから自ら手で削り出し、そうして作ったプロトタイプをカナダのケベック州モントリオールの木材旋盤工場へ送った。このとき送られた2種類のプロトタイプは、後にSD1、SD2と称されるようになり、ヴィックファース社の最初の二つのモデルとなった。ファースによると、「必要だったから生まれたのであり、想像力とか、自分が創業できる力があるかといったことじゃなかった」という。このドラムスティックは、ファースが自分用に作らせたものであったが、彼のもとで学ぶ生徒たちの間で人気となり、遂には小売店で販売されるようになった。 2012年の時点で、同社は300点の商品を扱っており、年間に1200万本のドラムスティック類を生産している。また、同社は長く、コショウや塩用のスパイス・ミルや、(西洋式の取っ手が付いた)麺棒などを「ヴィックファース・グルメ (Vic Firth Gourmet)」というブランドで扱っていたが、そうした事業は2012年にメイン州ニューバインヤード(英語版)のメイン・ウッド・コンセプツ (Maine Wood Concepts) へ売却され、同社は「フレッチャーズ・ミル (Fletchers' Mill)」とブランド名を改めて、事業を継続した。
※この「ヴィックファース・カンパニー」の解説は、「ヴィック・ファース」の解説の一部です。
「ヴィックファース・カンパニー」を含む「ヴィック・ファース」の記事については、「ヴィック・ファース」の概要を参照ください。
- ヴィックファース・カンパニーのページへのリンク