ローレンツ変換の合成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/08 21:20 UTC 版)
「ジャイロベクトル空間」の記事における「ローレンツ変換の合成」の解説
3次元ベクトルに対する3×3行列で表された回転がgyr[u,v]で与えられる場合、4次元に対する回転を表す4×4行列は以下で与えられる。 G y r [ u , v ] = ( 1 0 0 g y r [ u , v ] ) {\displaystyle \mathrm {Gyr} [\mathbf {u} ,\mathbf {v} ]={\begin{pmatrix}1&0\\0&\mathrm {gyr} [\mathbf {u} ,\mathbf {v} ]\end{pmatrix}}} 速度 u 、 v に対応する2つの ローレンツブースト B(u), B(v)の合成は以下で与えられる。 B ( u ) B ( v ) = B ( u ⊕ v ) G y r [ u , v ] = G y r [ u , v ] B ( v ⊕ u ) {\displaystyle B(\mathbf {u} )B(\mathbf {v} )=B(\mathbf {u} \oplus \mathbf {v} )\mathrm {Gyr} [\mathbf {u} ,\mathbf {v} ]=\mathrm {Gyr} [\mathbf {u} ,\mathbf {v} ]B(\mathbf {v} \oplus \mathbf {u} )} 回転を前に書くか後に書くかに依存して、合成がB(u ⊕ {\displaystyle \oplus } v)かB(v ⊕ {\displaystyle \oplus } u)のどちらか一方を使って表されるという事実から、velocity composition paradoxが説明される。 2つのローレンツ変換 L(u,U), L(v,V) の合成をU,Vを含んだ形で書くと次のようになる。 L ( u , U ) L ( v , V ) = L ( u ⊕ U v , g y r [ u , U v ] U V ) {\displaystyle L(\mathbf {u} ,U)L(\mathbf {v} ,V)=L(\mathbf {u} \oplus U\mathbf {v} ,\mathrm {gyr} [\mathbf {u} ,U\mathbf {v} ]UV)} ここで、ローレンツブーストは4×4行列で表すことができる。ブースト行列 B(v) はブーストBを表しており、vの要素、すなわち v1, v2, v3 が行列の要素に現れる。 行列の要素は3次元ベクトル vの要素に依存しており、B(v)という表記はこれを意味するものである。 実際のところ、各要素は4次元ベクトルの要素で表すこともできる。これは、4次元ベクトルの要素のうち3つは3次元ベクトルと同じだからである。しかし、ブーストを3次元ベクトルでパラメトライズする場合、2つのブーストの合成の4×4行列表現 B(u ⊕ {\displaystyle \oplus } v) が3次元ベクトルの合成 u ⊕ {\displaystyle \oplus } v の要素で表せるという利点がある。しかし、合成結果のブーストに対しても回転行列をかける必要がある。なぜなら、ブーストの合成(2つの4×4行列の積)が純粋なブーストではなくブーストと回転の合成となるからである。具体的には、回転 Gyr[u,v] を用いてB(u)B(v) = B(u ⊕ {\displaystyle \oplus } v)Gyr[u,v] = Gyr[u,v]B(v ⊕ {\displaystyle \oplus } u) となる。
※この「ローレンツ変換の合成」の解説は、「ジャイロベクトル空間」の解説の一部です。
「ローレンツ変換の合成」を含む「ジャイロベクトル空間」の記事については、「ジャイロベクトル空間」の概要を参照ください。
- ローレンツ変換の合成のページへのリンク