レーダードーム骨格の空輸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 16:20 UTC 版)
「富士山レーダー」の記事における「レーダードーム骨格の空輸」の解説
アンテナを保護するレドームのジオデシック・ドーム構造の骨格は、様態から開発関係者や現場工事関係者らに「鳥籠」とあだ名された。直径9mの半球状ドーム骨格でパネルを貼ったのちに風速100m/秒の冬の風に耐えられる仕様で、重量620kgであった。これを現地に搬送する際に一部を分解して運搬し山頂で組み立てることは難しく、ヘリコプターによる空輸では揚力が不足することが骨格完成後に判明し難工事の最後の障害となって立ちふさがった。最終的には揚力が不足している分だけヘリコプターのドアや座席など取り外して軽くし、最小限の燃料搭載で対応した。 この時に利用されたヘリコプターシコルスキー S-62は、晴天となった1964年8月15日の午前7時55分に富士宮市にある臨時ヘリポートを離陸。約18分後に骨格設置予定の富士山頂に到着。好天が災いし富士山頂上空は無風でホバーリングに適さず、ヘリコプターの操縦は困難を極めたが「置き逃げ(エスケープ)」と呼ぶマニューバで強行し、レーダードーム設置に成功した。
※この「レーダードーム骨格の空輸」の解説は、「富士山レーダー」の解説の一部です。
「レーダードーム骨格の空輸」を含む「富士山レーダー」の記事については、「富士山レーダー」の概要を参照ください。
- レーダードーム骨格の空輸のページへのリンク